マーフォークで島渡り

マーフォーク考察録 思ったことをつらつらと

水底の生術師の再評価 〜モダン〜

「私自身が一生の功績だ。」

 

〜水底の生術師〜

 

 

 

デルバーのフレーバーテキストにも合いそうなことを言っています

 

マーフォークにおける直近の一番の功績はペテン師かもしれませんが、フレーバーテキストに恥じぬ使い勝手の良い1枚です

正直なところ私もリリース前はモダン、レガシーでは呪い捕らえとの競合では厳しいと感じていましたが、そんなことはなかったです

 

よく対戦相手の方からも「バイオマンサー入るんですね」と言われるのですが、水底の生術師(以下生術師)はマーフォークの定番リストを変える1枚でした

 

まずは能力について改めて画像ご確認下さい

f:id:aru_wwinny:20190312082902j:image

1マナ1/1、順応1、+1カウンターが乗る度ルーティング

こう見ると、どちらかと言うと地味で控えめな性能です

しかし、インクの染みのような順応とそれに伴うルーティングがマーフォークにおいて大きな働きをします

そんな生術師について、採用の有用性、環境との噛み合い、対戦相手の目線でご紹介したいと思います

 

1.採用の有用性

生術師採用のメリットとして、アグロ性の向上、継続戦闘力の向上、目的遂行の安定性向上が上げられます

 

アグロ性の向上

呪い捕らえと比較した際にサイズアップ「できる」ということが非常に大きく働きます

殴る時は1/1でも、バイアルとマナさえあれば3/3まで大きくなりうる…

それだけで3/3までのクリーチャーはほぼブロックしてきません

先手で出した場合、環境のクリーチャーを見回せばほぼ3,4ターン目までは島渡りなしでも無償で殴り続けれます

場合によってはこれがキルターンを1ターン早めれるのです

 

また、過去の記事では呪い捕らえとの競合で記載しましたが、それが大きな間違いでした

この2体を両採用する場合には前半のプレッシャー、キルターンの加速、マナ(バイアル)の有効活用に繋がります

バイアルを1ターン目にキャスト、2ターン目に1マナクリーチャーをバイアルから出せる確率は1マナ4枚採用のデッキで44%

これが8枚採用だと71%まで上昇します

これにより、高確率で2ターン目に2体展開ができ、バイアルの活用度向上、キルターンの加速、プレッシャーの増加が見込めます

 

継続戦闘力の向上

生術師を採用することで、マナ(バイアル)フラを大きく軽減できます

銀エラの能力の観点から、マーフォークは土地5枚が上限で、それ以降は不要牌寄りだと私は考えています

そんなマーフォークで6枚目以降の土地(バイアル)を有効牌に変えうることで、継続戦闘力の向上に貢献します

また、特に土地5枚で手札に不要牌がある状況で生術師をドローできた場合、

生術師キャスト→順応→2マナクリーチャーをドロー&展開

と、かなり場を持ち直すことができます

 

目的遂行の安定性向上

マーフォークはどのカードをどのタイミングで引いても完全に腐ることがほぼない、丸さが特徴のデッキです

しかし、引くタイミングで大きく役立ち度合いが変わるため、できればその状況に適切なカードをプレイしたいのも事実です

生術師はそういったタイミングの違うカードを適切なカードに変えてくれ、バイアルがあればそれを全てインスタントタイミングで行うことができます

 

2.環境との噛み合い

f:id:aru_wwinny:20190314082243p:image

過去はメインに使用されている4マナ全体除去やクリコマ、メインからコラコマが横行してました

しかし現在は高速環境に推移したため、低マナ除去が増加、全体除去は3マナ中心および奇跡呪文になったり、コラコマがサイドに変更されてきています

現在の環境使用率上位のデッキでソーサリー、インスタントに1マナ多く要求することで有利に働くデッキはほぼバーンのみです(それだけでも十分ですが

呪い捕らえの有用性が低下する中で、マーフォークも環境の高速化に対応するために生術師はマナ域、サイズ共にフィットするカードだと考えています

 

3.対戦相手の目線からの評価

 

前述の通り多くの対戦相手から生術師が入ることに驚きをいただきます

理由としては他の1マナ選択肢(主に呪い捕らえ)と比べて相手に干渉せず、かつ除去対象となるサイズや能力ではないからだと思います

相手の目線から見て評価の低いカードを採用するに値するのか?

 

同じような見え方のカードで言うと血清の幻視があります

幻視は1ターン目に相手に使われても、なんでもないと感じるカードですが、何故多くのコントロールに採用されているのか

それは対戦相手からは見えない脅威だからです4,5ターン目のコントロールのハンドを確認して、自分のデッキに対する回答がほとんどある完璧な状況…その場で投了したくなります

ではそのハンドを作っているのは何か?もちろん運もありますが、大きく寄与したのが1ターン目の「なんでもない血清の幻視」です

生術師も同じでマーフォークにおける4,5ターン目の安定、ライフを削っていたことによるフィニッシュに繋げれる状況を作るのが生術師の仕事なのです

 

おまけ.プチテクニック

これまで(ほぼ)窒息対策でしかなかった朧宮が後半ルーティングのタネにできるようになりました

剥奪で土地をハンドに戻した際もルーティングのタネになります

死せる生対応でロードや波使いなど有用なクリーチャーを墓地に落とせます

 

 

「順応しなくてはならない」と考えると弱いが、「順応できる」と見ると非常に有用な水底の生術師…

これからのマーフォークを引っ張る偉大な1枚だと考えています