モダンマーフォークについて①
支配者は宝冠をかぶり、我々は帽子をかぶる。しかし、雨のときにはどちらがいいだろうか。
――― バリン、真理集.
〜基本に帰れ〜
最近スタンからの移行でモダンマーフォークに興味持っていただけている方が増えたように思います
そんな方や自分の整理兼ねてH31年2月時点での、そもそもモダンマーフォーク(以下マーフォーク)とはなんぞやをいくつかの項目に分けて見ていきたいと思います
①マーフォークってどんなデッキ?その魅力は?
1.デッキタイプ(勝ち方)
マーフォークは一般的にはクリーチャーを展開して殴り、対戦相手のライフを0にして勝つ、「アグロ」と言われています
また、一部ではライフを減らすスピード、打点が急に加速し、かつクリーチャーによってブロックできないことによる突然死があるため「コンボ」と分類される方もいます
なんにせよクリーチャー展開して殴ることが好きな方向けのデッキタイプです
2.採用しているカード
マーフォークは部族デッキと呼ばれるシナジー重視のデッキです
1枚1枚のカードパワーは低いですが、寄り集まることでカードパワーが2倍にも3倍にも膨れ上がります
まずは分かりやすさのため、カードパワーの高い、シナジーが必要ないカードを見て見ましょう
不屈の追跡者…3マナ3/2と出た時のサイズは大きくありません
しかしコイツは土地を置く度、手がかりトークンを生み出し、その手がかりトークンを用いてドローとサイズアップを行います
土地セット→手がかりトークン→ドロー&サイズアップ、ドローで土地を引き込む→土地セット→…
とデッキに必ず入っている土地のみでサイズアップ、ドローを行える、1枚で完結したパワーカードです
次に一番有名なマーフォークである、アトランティスの王を見て見ましょう
アトランティスの王は単純な1枚のカードパワーで見ると2マナ2/2のクリーチャーで、点数で見ると10点満点中2点がいいところでしょう
しかし、デッキのほとんどのカードをマーフォークにすることでロードとしての価値を発揮し、6点に
広がりゆく海を4積する事で、島渡り付与の価値を発揮しやすくなることにより8点のカードになっています
これに加え、信心を必要とするカードを採用していれば、ダブルシンボルであることが活かせ、9点のカードになります
このようにお互いが相互に作用し、価値を高め合う、60枚で1つの形を織り成すのがマーフォークの特徴です
3.適応力の高さ(丸さ)
マーフォークは基本青単色で組まれることが多いですが、単色であるにも関わらず非常に対応力が高いです
そのため、どんなデッキタイプとも戦える構成になっている、または戦えるようにチューニングすることが可能です
戦えるように構成すると言うと、どんなデッキでもメタカードを増やせば戦えるという声が聞こえてきそうですが、マーフォークの強みはデッキとしての形を歪めずに構成することが可能なことです
それを可能としているのがマーフォーククリーチャーの多様性とフリースロットの多さです
多くのマーフォーク使いが固定スロットとしているのは土地20枚,霊気の薬瓶4枚,銀エラの達人4枚,ロード2種8枚,広がりゆく海4枚の40枚です
残りの20枚は人によって好きなクリーチャー、カウンター、除去を搭載しています
1マナのクリーチャーを見てみれば、呪い捉え:相手のスペル妨害、霧の中の呼びて:相手の特殊状況におけるクリーチャー展開阻害、コーシのペテン師:相手のサーチに反応してサイズアップ…
どれもマーフォークのしたい動きを阻害しない、またはサポートする形で多くの選択肢があり、マーフォークの適用性(丸さ)を生み出しています
②マーフォークを組んでみよう
1.必須カード、集める優先順位は?
必須カードは先程固定スロットと記載した土地を除く20枚です
霊気の薬瓶のみ他の部族デッキ(人間等)にも採用されていることもあり3,000-4,000円程かかりますが、残りのカードは50-500円前後で手に入るカードばかりです
扱い始めの際は霊気の薬瓶なしで組んでみてもマーフォークの楽しさは味わえると思いますが、霊気の薬瓶を使うともう1ランクデッキとしての完成度が上がるので是非揃えて欲しいカードです
また、マーフォークによく採用されている高額カードとしては他に魂の洞窟があります
魂の洞窟はカウンターが効かなくなる(少々詐欺臭い)有用な土地です
しかしマーフォークは霊気の薬瓶のおかげで元々カウンターに強いこと、モダン環境は(魂の洞窟のせいで)カウンターが少ないこと、最近のマーフォークはサイドボードにシンボルの濃い呪文を多く採用していることから必須のカードではなくなっています
2.おおよその金額感は?
安いからで使い始めても続かないと思うのであくまでご参考にですが、
霊気の薬瓶、魂の洞窟なし:1〜1.5万
霊気の薬瓶あり魂の洞窟なし:2.5〜3万
霊気の薬瓶、魂の洞窟あり:6万前後
です
モダンのデッキの中ではお財布に優しいデッキとなっております
俺は高額カード叩きつけたいんじゃ!って方にはfoilという沼にハマれば簡単に30万超えるデッキになるので是非ご検討ください
③その他
1.タッチカラーについて
一般的には青単で組まれることが多いですが、色をタッチするタイプもあります
タッチされているタイプを採用度の高い順にご紹介します
青緑:イクサラン、ラヴニカのマーフォークが緑を含むため、最近研究が進んでいるカラー
特徴としてはロード数の増加に伴う、打撃力が上がってます
私はまだこのタイプについて詳しくないため、ご参考になる記事リンクを貼らせていただきます
http://nowchin.hatenablog.com/entry/2019/02/16/UG-merfolk-no-susume
↑北海道の魚民、なうちさんの考察記事です
青白:ローウィンのマーフォークが白を含むためタッチされていることがあるカラー
特徴としてはローウィンの白絡みのマーフォーク、パスの採用、強力な白カードをのサイドボードに採用できることが特徴です
青赤、青黒:主に各色の有用なスペルを入れるためにタッチされるカラー
シャドウムーアには黒のマーフォークがいたり、青赤のマーフォークも存在するのですが、マーフォークそのものがあまり有用では無いためスペル利用のためにタッチされるカラーです
2.魚民
正直マーフォークはtiarの高いデッキではないため、プロが使い込んだりすることによる研究は進んでいないデッキです
ただ海外の有名どころではnikachuさん
https://mobile.twitter.com/nikachumtg
をはじめとして、個人の中で今もやり込んでいる人が多く、かなり古いデッキタイプにも関わらず、新しい発見が多いです
メジャーなデッキに比べ、そういった方々との地域を越えた交流もマーフォークの魅力の一つだと思います
思うところをつらつら書いたので分かりにくい部分もあったかと思いますが、これでモダンマーフォークに興味を持っていただける方が増えれば幸いです