モダンマーフォークにおける呪文滑り
「進歩のためには歯と爪ばかりが必要でないことをヴォリンクレックスに見せてやろう。」
――― 統合の実行者、マルカトール
〜呪文滑り〜
マーフォークも歯と爪(攻撃力)だけではなかなか進歩(勝利)することができません
今回はマーフォークの勝利の盾となるナイスサイドボード、呪文滑りについて見ていきたいと思います
正直筆者も昔試した際、人間やスピリットが流行った時期であまり良い感触を得れておりませんでした
しかし、現在の環境デッキ(のサイドボード含む)から見た際に大きく活躍できるクリーチャーとなっております
今回はそんな呪文滑りを
1.マーフォークにおける有用性
2.環境における投入先各デッキと役割
から見ていきたいと思います
まずはいつもの通り、画像にて能力をご確認ください
2/0/4。U orΦにて呪文か能力の対象を呪文滑りに変更する
「防衛を持っていない」
このサイズと能力が素晴らしい働きをしてくれます
1.マーフォークにおける有用性
マーフォークは対戦相手によってキーとなるカードが変わりますが、全てに共通しているのがロードです
ロード以外の多くのクリーチャーは場に出た際に仕事の大半を終えます
しかし、ロードだけは場に残り続けることで効果を発揮するため、ロードを如何に守るかが大切です
その際に呪文滑りがいればロードを守り、勝利への道が開けます
また、マーフォークは元々銀エラの達人、広がりゆく海(土地破壊同義時)、波使いの3枚がハンドおよびパーマネント数のアドバンテージ(以下アド)を稼ぐため、アド差をつけて勝つデッキには比較的強いです
しかし、サイド後は逆に相手にそういったアドを取られやすいカード(複数除去)を多く入れられてしまい、そのまま押し切られることが多々あります
そういった相手のサイド後に投入されるカードへの対策となるのが呪文滑りです
相手のサイドから入ってくる複数除去および3点以下の除去を全て無効にすることで、サイド後もパワーバランスの維持に貢献します
また、マーフォークは霊気の薬瓶を採用、かつそのカウンターを(多くの場合)2で維持します
見えている呪文滑りに比べて、強襲する呪文滑りは相手の戦略を瓦解させる力があります
(詳しくは後述の対デッキにて記載します)
さらにオマケの部分にもなるのですが、能力起動がUorΦという点も非常に噛み合っております
マーフォークはUが潤沢なので、余ったUマナで能力を起動でき、元々青単マーフォークはフェッチ、ショックランドを採用していないため、ライフにも余裕があります
元々相性が悪いことが多い、後述のコンボデッキにも大きく刺さるため、根本的な相性改善にも貢献します
2.環境における投入先各デッキと役割
・UBフェニックス
稲妻、腹わた撃ち、イゼットチャームの無力化
サイド後投入されうる神々の怒り、バイアルから出した時は相手のサイドから投入される削剥(3点モード)への対抗となる
地味にホラーなので氷の中の存在が裏返った際もバウンスされません
・ドレッジ
0/4のサイズを活かし縫合体をブロック
燃焼に対して呪文滑りが対象に含まれていない場合、ロード対象を中心とした燃焼による盤面崩壊を防ぎます
ただ見えていると効果も薄いため、やはりバイアルと組み合わせたいところです(それでもケアされると無理ですが…)
また墓掘りの檻など、相手にとって致命的な対策カードを守ることが可能です
・Gトロン
歩行バリスタ、サイド後投入の次元の歪曲に有用です
また、ウギンで吹き飛ばされません(だが生き残ったところでほぼ勝てない)
・グリクシスシャドウ
メイン、サイドに散っている稲妻、ラヴァマンサー、ティムールの激闘、削剥、神々の憤怒、集団的蛮行、コラコマ、ラスアナ、と対象に困ることがありません
・BG系(特にジャンド)
主に集団的蛮行、ラスアナ狙いだが、他の採用サイドによっては他のカード優先
ジャンドだと稲妻、コラコマとかなり有用となる場面が増える
・鱗親和
正直今回はコレを書きたかっただけの記事
マーフォークが俄然苦手とする鱗親和への回答となります
バリスタの玉集めはもちろん、実は「接合」は「アーティファクトクリーチャー」を対象に取るので、相手の接合を全てコイツに滑らせれます
もちろん見えていればそのことを知っている相手には通じませんが、霊気の薬瓶という急襲を仕掛けれるのがマーフォークの強み
大概の対戦相手は電結の荒廃者でカウンターを集め、フィニッシュのタイミングでバリスタか蛾にカウンターを移します
そのスタックで滑らせることができれば、相手の盤面は更地、10/10を超える呪文滑りの完成です
ここで防衛を持っていないことが合わせて活きてくるのです
・バーン
1度滑らせばほぼ相手のリソースが足りなくなるので勝利がぐっと近付きます
・各種コンボ(ヴァラ、アドグレイス 、ストーム)
相手のフィニッシュで滑らせれれば、相手の戦略を瓦解させ、リソース次第でそのまま勝利できます
・感染、呪禁オーラ
場に出るだけで相手のキープハンド次第ではそのまま勝てます
ここでも防衛を持っていないのがエライです
他にも使える相手、盤面は多いですが、取り急ぎ主だったものを記載させていただきました
環境の多くのデッキをカバーすることができ、かつ一部のデッキには致命的なキーカードとなる呪文滑り
皆様のマーフォークのサイドボードにもいかがでしょうか
余談:私はマーフォークデッキにマーフォーク以外入れたくない病気持ちなのですが、コイツは置物っぽいので何故か許せてしまってます
※19/04/11 対ドレッジの燃焼についてご指摘、アドバイスいただいたので加筆修正いたしました